
「絶壁ヒナギク」さんのPS4ゲームベスト5
筆者はアクションゲームやパズルゲームなどとっさの判断力が必要なゲームが苦手で、時間をかければ何とかなるロールプレイングゲームを好んでプレイしている。
もちろん『フォールアウト4』や『ボーダーランズ1&2』などアクション要素のあるものも遊んだりはするのだが、反射神経や銃で正確に狙いをつける能力が低いので、最近流行の『プレイヤーアンノウンズ バトルグラウンズ(PUBG)』などは実況動画を見るくらいで、意外とアクション技術が必要な『マインクラフト』などは流行になる前からやってはいるものの、途中で追加されたボス敵のエンダードラゴンにたどり着ける気すらしない。
ロールプレイングゲームなら『世界樹の迷宮』や『リメイクではないダイナソアの裏シナリオ』、『PS1版女神異聞録ペルソナの雪の女王編』など、かなり難しくてもクリアできるのだが…。
そんなロールプレイングゲーム好きの筆者が面白いと思ったPS4のベスト5をご紹介。ちなみに紹介するゲームには高難易度ゲームは含まれていないのでご安心を。
第5位:METALMAX Xeno
どこが面白いかと問われると非常に困る作品だ。かなりシンプルな内容となっており、ストーリーも特に変わったものではなく、ダンジョンもコピー&ペーストで作られた(低予算ゆえの)手抜きダンジョンがほとんどだ。
だがロールプレイングゲームならではのレベルアップやスキル向上、戦車を改造することによるパワーアップで、倒せなかった強敵が倒せるようになり、ザコなどは戦闘画面に入ることなく倒せるようになるので、強くなった実感が得やすいのがこの作品の魅力だと思う。もちろんプレイヤーの数だけ存在する戦車カスタマイズの豊富さも。

画像出典:http://metalmaxxeno.com/
「物語を進めるためにレベルを上げる」のが大抵のロールプレイングゲームの手順だが、本作『メタルマックス ゼノ』の場合「強くなるためにレベルを上げたら物語が進んだ」という目的と手段が通常のロールプレイングゲームと逆な点が面白さにつながっているのではないだろうか?
事実戦車やバギーの走行音、多脚戦車の動きを見ながら、お金をかせぐために亡霊戦車や死神戦車、飽きたら自称(?)モブ敵の軍艦サウルスを狩っているだけで面白いのだから。
開発が小規模メーカーなので限られた時間と予算で本当に必要な部分のみ力をそそぎ、とことん快適に遊べるよう読み込み時間を最小限にした点は高く評価したい。
ファミコン時代のロールプレイングゲームや3DSでケムコから販売されているレトロゲー風ロールプレイングゲームが好きな人には、ぜひおすすめしたい一作である。
第4位:戦場のヴァルキュリア4
初代は名作シミュレーションロールプレイングゲームと評価されたにもかかわらず売上につながらなかったせいで、2作目と3作目は開発規模が縮小しPSPでの発売となった。PS3からPSPへとゲーム機性能が下がったせいで肝心の面白さを担っていた部分が大きく低下し、結果ファンが離れてしまった悲しいシリーズでもあった。
だがPS4という据え置き機に帰ってきた『戦場のヴァルキュリア4』は、据え置き機という性能を充分生かし、広いフィールドを駆け回りマップを攻略する楽しさを再びあたえてくれた。
上記メタルマックス ゼノは強くなる過程を楽しむために、過去作品に捕らわれることなく不要な部分をとことん削り落としたが、戦場のヴァルキュリア4はPS4の性能を生かし、初代がもっていた従来の戦術自由度を再現できたことが復活とその面白さに繋がったのだと確信している。
このほぼ同時期に発売された対照的な2作とも充分に面白い作品だったことは、ロールプレイングゲーム好きの筆者としては非常にうれしい。
追加のダウンロードコンテンツが内容に対して値段が高めなのが残念であるが、売上が伴わないと続編が残念なことになるのは初代『戦場のヴァルキュリア』が証明しているので、続編もこのクォリティで遊びたい人は、ダウンロードコンテンツが一つのパックになって、少しだけお得なシーズンパスをぜひ購入して欲しい。
ちなみにシーズンパスの購入後、各ダウンロードコンテンツはそれぞれ1つずつダウンロードが必要なのでご注意を。
第3位:ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
戦場のヴァルキュリア4は変わらないことで面白さを取り戻したが、『ドラゴンクエスト 11 過ぎ去りし時を求めて』も同様に進化しつつも変わらない王道で楽しませてくれる傑作となった。PS4版は映像の美しさやフィールドの作り込みも充分に素晴らしいが、根本はコマンド式ロールプレイングゲームとして過去作とほとんど変わっていない。
読み込み時間に関しては3DS版にはかなわないが、創意工夫でなるべく長く感じないようにされていることはゲーム機のハードに詳しい人ならすぐにわかるだろう。
既におなじみとなったカジノはPS4版には『マジスロ』が新たに加わり、演出のたくみさや目押し成功時の爽快感が味わえるため従来のカジノ以上にハマることとなった。正直朝からパチンコ屋に並びパチスロにいそしむ人の気持ちが少し分かってしまったことに苦笑いしたぐらいだ。

画像出典:http://www.dq11.jp/
クリア後の隠し要素も物語の補完がされている以外に、ゲームクリアまでに解放しきれなかったスキルや小さなメダル収集に救済策がある点も良くできている。それらを全てクリアした頃にはサブタイトルの『過ぎ去りし時を求めて』の意味に気づくことが出来るだろう。
古くからのドラクエファンなら過去作のネタをふんだんに盛り込んだ『時渡りの迷宮』が収録された3DS版をおすすめしたい。ちなみに筆者はファミコン版ドラゴンクエストからシリーズを続けて遊んでいるが、PS4版でも充分楽しめたことを報告しておく。
第2位:ペルソナ5
学園ジュブナイル(少年少女が主役の物語)にピカレスクロマン(悪漢が主役の物語)を合わせた作品ではあるが、プレイした年代によって物語の評価は少し分かれると思う。
筆者はピカレスクと言うには少し正義の味方気取りが強めなところが気にはなったが、それが『若者ゆえの猪突猛進』と『思い込み』そして『ソーシャルネットワークで大勢に流されることの危うさ』を表現したものだと思えば、たしかに…と納得できる内容である。
発売前「メニュー画面や戦闘画面のインターフェースはデザイン重視で見にくくないか?」と思ったものだが、実際のプレイでは全くの逆だった。戦闘画面を含め非常によく練られており、各ボタンによるコマンドの短縮入力、繰り返される戦闘でストレスを感じにくいように先行入力の採用など、コマンド型バトルを採用したロールプレイングゲームの進化を見た気がした。
周回プレイにはペルソナ3や4のランダム生成ダンジョンの方がやりやすいとの感想もあったようだが、主人公達が怪盗になりお宝を盗み出すのだから、罠など仕掛けがたっぷりあるダンジョンの方が作品にはぴったりだと思っている。
ペルソナ4の様な隠しエンディングがなかったことはやや残念だが、程良い難易度と非常に遊びやすいインターフェースで周回プレイもそれほど苦にはならないだろう。
筆者はお気に入りの世紀末覇者先輩こと『新島 真』、メイド姿で主人公に尽くす『川上 貞代先生(べっきぃ)』のエピソードはもちろん確認し、九股浮気による修羅場バレンタインも経験済みだ。
ペルソナ3や4の経験を踏まえれば、2~3年後くらいに高確率で完全版が出そうではあるが、現在放送中のアニメ版ペルソナ5が終わる前にゲーム版をやっていた方が、ネタバレによる被害は少なくてすむのではないだろうか?
第1位:Horizon Zero Dawn
WiiUでゼノブレイドクロスを遊んだとき「どうやったらWiiUの性能でこれだけのものを作れるのだ?」と不思議に思ったが、本作『ホライゾン ゼロ ドーン』を遊んでいるときも「PS4の性能でこれだけの映像美とキャラクターのスムーズな動きを両立できるのか!」と驚いたものだ。
アクションロールプレイングゲームである本作だが、アクションが苦手な筆者でも充分楽しめる難易度とバランスになっている。なにより武器をかまえると一定時間時間の流れがゆっくりになるので、落ち着いて敵を狙うことが出来るからだ。
フィールドを闊歩する犬や馬っぽい敵をハッキングすれば、乗り物として利用でき敵との戦闘時はあまり強くはないものの一緒に戦ってくれる。強敵にはフィールドに罠を張って、地形と習性を利用することで、アクション下手でも頭脳戦で勝利することが出来るアクションロールプレイングゲームはあまりない。
そしてレベルが上がっても無策で戦うとザコに囲まれボコボコにされることから、戦闘がマンネリにならず緊張感が保たれる点も良い。
映像美、ゲームバランス、快適さ、ザコを狩る楽しさ、苦労のすえ強敵を倒したときの爽快感、ここまで高いレベルで完成しているロールプレイングゲームは10年に1本あるかないかだろう。
アクションロールプレイングゲームが好きなら迷わず買って後悔しないだけの作品となっている。今なら追加ダウンロードコンテンツ『凍てついた大地』がセットになった『ホライゾン ゼロ ドーン コンプリートエディション』がおすすめだ。
まとめ
新規タイトルのホライゾン ゼロ ドーンを除いて歴史の長い作品ばかりの紹介となったが、ただ歴史が長いだけでシリーズを続けているうちに駄作となったロールプレイングゲームも少なくはない。
ゲーム製作も旧来の良い部分を残しつつ、新しい要素を取り入れることが欠かせない。変化を恐れて足踏みしてしまうようでは、いずれ新旧両方のファンからも見捨てられてしまうからだ。
個人的にはある程度の批判が来ることを承知の上で今までの要素を大胆に切り捨て、大きな転機を感じさせてくれたメタルマックス ゼノの今後に注目したいところだ。
PS4の注目タイトルを一通りクリアしたことで一段落ついたわけだが、筆者の元にはまだ手を付けていない他機種のロールプレイングゲームがいくつかある。それらを消化しないうちにニンテンドースイッチのゼノブレイド2に手を出してしまえば、ペルソナ5で九股をかけた主人公のことを笑えなくなってしまうだろう。