「soukennbityaさん」が選ぶ 任天堂3DSの名作ベスト5

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yoritoum 投稿者:soukennbitya さん 女性・20代

「soukennbityaさん」が選ぶ3DSの名作ベスト5

筆者の親は、子供がゲームをする事に関して反対しない人だった。あまり裕福な家庭ではなかったので、たくさんのソフトを買い与えられていたわけではない。その分、誕生日やクリスマスに新しいゲームソフトを貰うととても嬉しくて、ひたすら遊び倒したものだった。

そのような背景もあり、筆者はどちらかと言えば、話題作や有名なタイトルに万遍なく手を伸ばすタイプではなく、自身が気に入ったタイトルやシリーズをいつまでも遊び続けるタイプである。クリアしていないサブイベントはないか、入手していないアイテムはないか、見ていないテキストはないかなど、できる事を片っ端から試していきたくなるのだ。逆に、ゲームシステム的にはまだフルコンプできていない状態だったとしても、自分がやりたい事をやり尽くしたら満足して遊ぶ事をやめてしまう場合もある。自分がそのゲームの感想を求められたとき、胸を張って「楽しかった!」と言える所まで到達できるか否か。それが筆者の中での「ゲームをやり込む」という行為なのである。

そんな筆者が今回選ぶのは、ニンテンドー3DS用に発売されたソフトの中でも、特に気に入ってやり込んだタイトルの5選。無理に勧めるつもりはないが、筆者個人はこれらのソフトをとても楽しんだという事だけ先に明記しておく。

5位:とびだせ どうぶつの森

「どうぶつの森」といえば、冒頭からいきなり借金を背負わされ、その返済に追われて動物たちの奴隷に成り下がるところから始まるのが鉄板だったが、「とびだせ どうぶつの森」は違う。見ず知らずの村に雇われ村長として招かれ、その村を発展させる事を目的としている。物語の軸が“自分のため”ではなく“住民たちのため”になったのだ。それが今までのシリーズとの最大の違いだと思う。

村長の仕事の具体例としては、条例を発布して住民たちの生活に改革を起こしたり、フィールド上に公共物を建立する事ができるようになった。自分の部屋のコーディネートはもちろん、村までもをコーディネートできるのである。自分が設置した公共物で住民たちが遊んだり和んだりしているのを見ると、とてもほっこりした気持ちになる。借金返済とはまた違った満足感を味わえるようになった。

部屋のインテリアに関しても、レパートリーが大幅に増えて選択肢が広がった。新作が出る度にインテリアのバリエーションが増え続けているのは単純にすごいと思う。ちなみに筆者はゆきだるまシリーズを気に入っており、毎回真っ先に揃えている。雪の大地を踏みしめるあの音と、比較的レアなシリーズをコンプリートする達成感、そして絶妙に可愛くないゆきだるまのデザインが、何とも言えず好きなのだ。

4位:大乱闘スマッシュブラザーズ for 3DS

64版の初代が発売されて以降、全てのシリーズで爆発的な売り上げを記録してきた「スマブラ」の、初の携帯型ゲーム機タイトル。Wii U版と連動させて遊ぶ事もできるが、対応ハードがそれぞれ携帯機と据え置き機という事で、内容に関してはほぼほぼ別ゲーである。

「スマブラ」は格闘要素の強いゲームだが、他の格ゲーのように体力ゲージを削り合う仕様ではない。敵へのダメージを重ねてゆき、最終的にフィールド場外へ弾き飛ばせば勝ち、というルールである。大迫力の攻防をテレビ画面に映し出すからこそ、そのグラフィックの美しさや派手な演出に手に汗握る臨場感が生まれる。

これが携帯型ゲーム機のスケールになってしまったら魅力が半減するのでは?と、筆者は正直不安に思っていた。しかしそれは全くの杞憂で、「スマブラ」の楽しさが3DSの規格に見事に落とし込まれている。もちろん制約はあるけれど、キャラクターが見やすいようなライン取りがされていたり、3DSで遊べる作品のステージが多く用意されていたりと、過去シリーズにも劣らない魅力の詰まった1本だ。Switch版の新作も待ち遠しい。

3位:ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D

“みんなのトラウマ”“黒い任天堂”でお馴染み「ムジュラの仮面」のリメイク作。2000年に64版が発売され、そのシステムやシナリオが国内外から非常に高い評価を受けた名作である。3日後に月が落下する異次元世界・タルミナに迷い込んだリンクが、その世界の終焉を阻止するべく冒険を繰り広げる物語だ。

ゼルダと言えば、様々なアイテムやギミックを利用する謎解きアクションとして不動の地位を確立しているが、「ムジュラの仮面」はその謎解きのレベルが他とは段違いで高い。重厚な物語を読み解く推理力や、同じ時間を何度も繰り返して少しずつ手掛かりを見つけてゆく根気強さなど、過去作とはまた違ったスキルが要求される。“制限時間付きのゼルダ”は非常に難しく、現在でもシリーズ最高峰の難易度と謳われる程である。

64版から3DS版に移植するにあたり、まずグラフィックやモーションが美しくなった。おかげで月の顔面が、まあ怖い。しかも3D。64版でも十分に恐ろしかったヤツが圧倒的な迫力で迫って来る。世代を超えて再び子供たちにトラウマを植え付ける気なのだろうか。いくつかの機能が追加された事で謎解きの難易度が下がっているため、ある程度は取っ付き易くなっているものの、ホラーやタイムリープ要素が肌に合わないという人には少々厳しいと思う。好き嫌いが割れるゼルダ界の異端児的存在と言っても過言ではない。ただ、面白い事だけは確かだ。

2位:ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア

ゲームもアニメも初代の頃から慣れ親しんできた世代ド真ん中の筆者が、ゲームシリーズの中で最もハマったのはルビー・サファイアである。ストーリーや新ポケモンのデザインも好きだったし、ひみつきちやコンテストなどのサブコンテンツにも馬鹿みたいに熱中した。愛してやまないそのタイトルがリメイクされると聞いた瞬間、無言で全力のガッツポーズを決めていた事を今でも鮮明に覚えている。

本作は、単なる移植作ではない。かつてのルビー・サファイアに当時シリーズ最新作だったX・Yのシステムを掛け合わせ、新たな光を当てた珠玉の逸品だ。かつてのものよりさらに遊びやすく進化しており、小さなお子様や普段ゲームをあまりやらないライトユーザーでも気軽に手を伸ばせる作品に仕上がっている。

追加されたコンテンツのうち、恐らくメインとなるのはメガシンカやゲンシカイキ、そしてエピソードデルタなのだけれど、筆者が1番感動したのは図鑑ナビである。主人公と同じエリア内に生息するポケモンや、草むらに潜んでいる野生ポケモンの詳細なステータスを表示してくれる機能なのだが、これがものすごく便利だった。ポケモン図鑑の完成に関しても、自分好みの個体を捕獲・育成してゆく事に関しても、非常にありがたいお供だ。初心者にもガチ勢にも嬉しい新機能が、作品への高評価を後押ししている事は間違いない。

1位:ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

画像出典:http://www.dq11.jp/

皆様ご存知「ドラゴンクエスト」シリーズの最新作。PS4版と3DS版が同時発売されているが、今回紹介するのはもちろん3DS版だ。物語やキャラクター性はそのままに、それぞれのハードの特徴を活かした仕上がりになっているので、結局どちらの方が良いのか?という質問は無粋である。答えは1つ、両方遊んで自分で確かめなさい。

本作の序盤では、勇者であるはずの主人公が“悪魔の子”と呼ばれお尋ね者扱いされている。追っ手から逃げ回る勇者、というのも今までのシリーズにはない新鮮な設定だった。その道中で心強い仲間たちと出会い、世界の真相を知り、巨悪に立ち向かう。王道を外さない胸熱な展開と笑って泣ける壮大な物語が、懐かしくも新しい「ドラクエ」の世界へとプレイヤーを引きずり込むのだ。

3DS版のシステムの1つに、2Dモードと3Dモードの切り替えがある。3DモードではPS4版と同じようにリアルな世界を自在に駆け回る事ができ、2Dモードでは昔ながらのドット絵で冒険を進める事ができるのだ。モンスターとの遭遇がランダムエンカウントになったり、後ろから仲間たちが着いて来てくれたりして、旧作と同じ感覚で最新作のタイトルを堪能できる。「今、ドラクエやってるんだな…!」という感動が押し寄せ、感慨深いものがあった。

ゲームとしての出来も圧倒的で、“歴代最高傑作”“シリーズ集大成”などの謳い文句も決して伊達ではない。ゲーム史に残る名作だと、筆者は惑いなく思っている。

まとめ

読み返してみて、昔から慣れ親しんでいたタイトルの新作やリメイク作ばかりリストアップしてしまったなぁ、と思った。考えてみれば、そもそも3DS用ソフトについてはあまり冒険しなかったというか、全く知らないタイトルにはほとんど手を伸ばさなかった印象がある。特に理由があったわけではないのだが。今回のラインナップも、選考基準に関しては「好きなものは好きなんだから仕方ない」という暴論のみで押し通させていただく。1つでも共感してもらえる部分があれば幸いだ。